写真家・横山泰介が撮る。
うちのホープは湘南のホープ

「大けがをしても、大工になりたいという熱意を感じた」
HOPE 三宅優太さん(左)社員大工/RECOMMENDER 白鳥ゆり子さん 代表取締役

自然素材にこだわった家づくりの先駆けとして、湘南でも屈指の老舗ハウスビルダーとして知られる「技拓」。ここで幼少のころからの大工になりたいという夢を叶えたのが、21歳の三宅優太さんだ。「小学校の登下校の時に家が建っていくのを見て、『すごいな!』と大工に興味を持ちました」。
高校で建築を学び卒業後は大手ハウスメーカーに就職し夢に近づいたが、不運が三宅さんを襲う。交通事故にあって右目の視力を失ってしまったのだ。そして、仕事を続けることは困難と会社から解雇。「正直、好きだったアパレルへ行こうとも迷いましたが、『オレ、今まで何のために頑張ってきたんだろう』と悔しくて」。そこで目にしたのがInstagramの技拓の大工募集の求人だった。「彼の熱意に私達も『育ててみる価値があるかもしれない』と。失明も『本人のやる気次第じゃないか』と棟梁の言葉もあったので」と代表取締役の白鳥ゆり子さん。
入社してまだ1年足らずだが徐々に手応えを感じてきたと三宅さん。「ひたすら楽しいですね。自分の作ったものが、後世に残るというのは、やりがいを感じます。スタッフの皆さんも家族のように、とても温かいです」。そんな三宅さんの成長を我が子のように、白鳥さんは見守る。
みやけ・ゆうた
藤沢生まれ、藤沢育ち。座右の銘は「初志貫徹」。将来の夢はどんな現場もこなせる棟梁になり、若手を育てて湘南といえば「技拓」とさらにいわれるようなブランドに育てること
Instagram:gitaku_kamakurayama
撮影/横山泰介